


アニエスベーは、パリ郊外のヴェルサイユに生まれ、父親の影響で、幼い頃からアートや音楽に親しんできました。彼女の小さな頃の夢は、学芸員になることでした。デザイナーとなった今、デザインだけでなく、現代アートや映画・音楽のサポート、環境保護活動、エイズ予防啓発に対する取り組みなど、幅広い分野で活動しています。
■ポワンディロニー
アニエスベーは1997年に、キュレーターのハンス=ウルリッヒ・オブリストとアーティストのクリスチャン・ボルタンスキーと共に『ポワンディロニー』というフリーペーパーを発足させました。1年に数回発行されるこの新聞サイズの大きな紙面は、アーティスト、映画監督、フォトグラファー、ミュージシャン、作家などに任されます。
各自が自由に、この紙面上に作品を展開し、10万部が世界中で無料で配布されます。アニエスベーブティックをはじめカフェ、映画館、ギャラリー、学校や美術館など様々な場所に置かれます。誰の手にも届くアート作品、それは、ほぼユートピアに近いものです。
これまで発行されたポワンディロニーは40号以上にものぼり、アネット・メサジェ、ダミアン・ハースト、オノ・ヨーコなど様々なアーティストたちが参加してきました。
■ギャラリー デュ ジュール
1984年、アニエスベーはギャラリー デュ ジュールをオープンしました。
「自分の好きなものを観てもらうためにギャラリーを作りたかった。ギャラリーというか、物事の裏側や側面を見せるための場所。毎回、新しい見せ方を考えて、あるイメージが固定しないで流れてゆくようにしています。そうすることにより、限られた人だけではなく、より多くの人にとって開かれた場所になるでしょうから。」
ギャラリー デュ ジュールでは特に写真作品に力を入れていますが、それ以外にも幅広いアーティストの作品を取り上げています。ギャラリーはパリのポンピドゥーセンター近くのQuincampoix通り44番地にあり、書店を併設しています。ギャラリーとしての国際的評価を受け、様々なアートサロンに参加しています。
アート
■アニエスベーのメセナ活動
多数の市民団体やフェスティバル運営機関から依頼を受けるアニエスベーは、できる限りのサポートをしています。
パリのFestival d'Automne やニューヨークのPS1 festival Warm upのように国際的に有名なフェスティバルもあれば、まだ発足したばかりの企画もありますが、こだわることなく、彼女は多様な支援を通して創作活動を応援し、できるだけ広い層の観客に見てもらいたいと望んでいます。
またアニエスベーは多数の若手アーティストの活動を支援し、彼らのほとんどが彼女の友人となっています。アメリカの映画監督、ハーモニー・コリンがその一例です。頻繁にコラボレーションをしたり、ギャラリー デュ ジュールでも2回展覧会を行っています。
また80年代初頭から数多くのグラフィティー・アーティストたちのサポートも行っており、彼等のアートをギャラリーやブティックで紹介しています。
■アニエスベーの現代アートコレクション
アニエスベーはアート作品の蒐集家でもあります。彼女は直感に導かれ、時にアーティストを援護するために、年月と共に膨大な現代アートのコレクションを築き上げました。このアニエスベーのコレクションは2004年に初めてトゥールーズの美術館レザバトワールで展示されました。
彼女の豊富な写真のコレクションもすでに2回展示されています。2000年にはパリ国立写真センターで、2002年にはノジョン・シュール・マルヌ市で展覧会が開催され、2008年秋にはベルリンでの展覧会が予定されています。彼女の所有する作品は定期的に美術館やアートセンターなどに貸し出されています。
映画
■アニエスベーと映画
アニエスベーは映画が大好き!1997年には、映画に対する愛情から、映画製作会社「ラブストリームス」を設立。強いビジョンを持ったインディペンデントな作品の製作や宣伝に携わっています。
また他にも映画祭後援や、衣装協力、特別上映会の資金援助、または店頭でのポスター展示や予告編の上映など、様々なかたちで映画に対する支援活動をしています。
例えばサラエボ映画祭、カンヌ国際映画祭の批評家週間、東京フィルメックスといった映画祭のサポートや、映画『パルフ・フィクション』 (クエンティン・タランティーノ監督)や『マルホランド・ドライブ』 (デヴィッド・リンチ監督)などで衣装デザインもしています。
単なるメセナ活動者として以上に、アニエスベーは誠実で仕事の質に厳しいパートナーとして映画界に知られ、彼女やラブストリームスの支持を得ることは作品の良質さの証とされています。
B.green!
■エコバッグ
アニエスベーは、2006年社内でグリーン委員会を発足させ、フランス本社でのゴミ分別の見直しや、アニエスベーのブティックにて、ジャガイモのでんぷんから作られた土に戻すことが出来るショッピングバッグの導入を実施してきました。アニエスベーは、現在の地球の状況を変えていくためには個々がさらにイニシアチブをとっていくことが重要だと考えています。
さらにアニエスベーは、社長であるエティエンヌ・ブルゴワが指揮する北極の環境を調査する観測船タラ号をサポートしています。
ボランティア活動
アニエスベーは多くの市民団体や社会福祉、人道支援を目的とした機関をサポートしています。またアニエスベーはブティックで売上もしくは利益の全額を市民団体や病院等に寄付する商品を展開しています。これは来店された方にもアニエスベーの考えや活動を知ってもらい、参加してもらいたいという一つの提案です。
また80年代に、親しいアーティストの友人たちがエイズで亡くなっていくことにショックを受けたアニエスベーは、積極的にエイズ予防啓発運動に取り組んでいます。1993年から、コンドームをアニエスベーブティックのカウンターに設置し、毎年世界中で約20万個を無料配布しています。
1998年からは、直接エイズ患者を支援するために、赤いマフラーの収益金を入院患者のために寄付することにしました。日本においては、この商品の収益金は財団法人日本エイズストップ基金へ寄付されています。

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